「恣意的」検察庁法改正反対

「恣意的」検察庁法改正反対

05/23/2020 0 投稿者: whynot_owner

今般、多くのニュースで報じられた検察庁法改正案について、国民的議論とまではいかないまでも、多くの著名人や元検察庁OBの方々の同改正案に反対意見が寄せられ、今国会での採決は見送られることとなった。
詳細は皆さんも報道等で周知の事項であり、また私が「解説」などするおこがましいので、個人的な意見だけ書いておきたい。

私が、今般の政府側のこれまでの経緯と説明を聞いていて全く腑に落ちないことが幾つかある。

  • そもそも当初の改正案(2019年10月)には、「内閣が認めた場合に延長できる」という「特例」は含まれていなかった。
  • 一方、2020年1月31日、何の前ぶれもなく黒川弘務東京高検検事長の定年延長が黒川氏の63歳誕生日の1週間前に閣議決定された。この時、安倍首相は「法の解釈を変えて、検察庁職員も『国家公務員』であるから、検察庁法ではなく国家公務員法に基づき、65歳に延長できるとした」と説明した。(私は国家公務員法の詳細は読んでも良く判らなかったが、様々なニュースソースから推考するに、国家公務員ならば延長は可能と思う。)
  • 3月になり「国家公務員法」や「検察庁法」等をすべて抱き合わせ法案として、一括で提示・審議されることとなった。この中で、「特例」が明示的に記述され追加されていた。

黒川氏の定年延長は「閣議決定」のみで、公に検討された形跡が全くない。また、この定年延長を可能とする「法解釈の変更」について、森法相は人事院との間で「口頭で了解を得た」と国会で答弁した。その後、日付の無い文章が提示されたが公文書としてはあり得ないものとしか言えない。こうした経緯を鑑振り返ると、誰が考えても後付けで法改正をしようとしていることは容易にうかがい知れる。

この「胡散臭さ」と「後付け丸出し」の改正案(2019年10月版)の「改正?」も不鮮明すぎる。加えて、こうした経緯とも言えぬ経緯で黒川氏の定年が延長されたことは、まさに「恣意的」に延長されたとしか言いようがない。

安倍首相は、検察庁法の審議の過程で、野党側から「今回の法改正の結果、今後検察庁人事が時の政権により恣意的に実行される可能性が生まれてしまうのではないか?」という質問に対し、「恣意的な人事は行わない」と回答している。
しかし、黒川氏の人事及び検察庁法の改正案の内容を考えると、まさに「恣意的に」法の解釈を変更したり、法改正しようとしているではないか、と言える。
安倍首相の言葉「恣意的な人事は行わない」と言う言葉が根底からすでに崩れている。

ここでいう「恣意的」は「悪意に基づき」とか「利己的意図に基づき」という、ネガティブな意味でなく、「勝手気ままに」と解釈しても良いと思う。
100歩譲って(譲る必要もないが)ネガティブな目的ではなかったとしても、「安易に時の政府が勝手に法解釈を変えて」人事に介入すること自体が、「恣意的」と言わずして、何を「恣意的」というのだろうか?

自己矛盾も甚だしい「論理」でしかない。

安倍政権はこれまでも何度も「問題のすり替え」や「指摘された問題を無視」することで、強引に(なし崩し的に)乗り切ってきたことは周知のとおりである。
「のど元を通り過ぎれば・・・」を地で行く政治手法(とも言えぬが)が余りにも目に付く。


5/23追記
これを書いた後に、黒川氏の「賭けマージャン」発覚により黒川検事は辞職、そして「国家公務員法改正案」(検察庁法改正案等を含む)の廃案となった。
この経緯も非常に違和感が残る。

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